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中国中央病院における臨床倫理問題への対応

2017.6.1
2017.6.15訂正
幹部会作成

輸血に関すること

信仰上の理由などで輸血療法を拒否する患者さんには、患者さんならびにご家族に対して、検査法や治療法を含む診療内容、特に輸血療法の作用と副作用を十分に説明し、当院は相対的無輸血の立場で診療を行うことを説明します。いかなる場面、治療処置においても救命処置としての輸血療法の必要性に理解をしてもらい、その上でこれに同意が得られれば、通常の診療を実施します。
しかし同意が得られず、輸血療法拒否の意思が確固たるものであると判断された場合には、当院で診療を引き受けることができない旨をお伝えします。

当院における輸血に関する方針について

当院では、患者さんとの信頼関係を第一に考え、医療行為の実施にあたり説明と同意に努めております。その中で、宗教的理由などから 輸血を拒否する患者さんがおられます。当院では、原則無輸血での診療を行っておりますが、手術をはじめとする診療中に「生命の危機」が生じ、医師の倫理に基づき輸血せざるを得ないと判断した場合においては、輸血同意書が得られていない場合や、宗教的理由などから輸血を拒否される患者さんに対しても、輸血を実施する立場をとっています。当院では、いかなる場合もこの「相対的無輸血」の立場で診療を行っていますので、「相対的無輸血治療」に同意が得られない場合には治療をお断りしています。
※相対的無輸血とは、患者さんの意思を尊重して可能な限り無輸血治療に努力するが「輸血以外に救命手段がない」事態に至ったときには輸血をするという立場・考え方

臟器移植に関すること

当院に通院ならびに入院する患者さんが、心臓停止後の腎臓と角膜の提供の意思を表示している場合、その意思を尊重するよう努めます。
心臓停止後の臟器移植に関しては、医師の臨床的判断による死亡確認の後、ドナーカード(臓器提供の意思を示したカード)に臓器提供の意思が示されているか、臓器提供に対する家族の同意があるかを必ず確認し、条件が満たされれば、臓器提供コーディネーターに連絡をとります。

終末期患者の治療に関すること

医師は、医学的見地から、回復の見込みがなく、死期が迫っている患者さんにとっては、単なる延命治療は無意味であるだけでなく、患者さんの尊厳を毀損しかねないことを念頭に置き、治療が困難な場合、病態と今後の見通しについて、患者さんならびにご家族が納得いくよう説明します。その上で患者さんならびにご家族と一緒に、終末期の生活の質(以下QOLと略す。)について検討していきます。また疼痛や呼吸苦などを緩和する際には、当院の症状緩和マニュアルに準じて行い、QOLの向上に努めます。

告知に関すること

患者さんには、知りたいという権利と知りたくないという権利があり、悪性疾患や治療困難な状態であった場合など、真実を告げられたいか否かの選択は、患者さんにあります。当院では、その意向を尊重した医療提供を行うため、告知に関する意向を伺っています。
また患者さんの意向とご家族の意向が違っていた場合(例えば、告知を望まれる患者さんと望まれないご家族)、患者さんにとって最善の選択は何であるのかを医療チームで検討し、ご家族と一緒に話し合っていきます。

蘇生拒否(DNR)に関すること

終末期、あるいは終末期に近づいている状態において、心停止ないし呼吸停止した場合、成功する見込みが少ない、あるいは成功したとしても患者に益をもたらさない と見込まれる場合に心肺蘇生術(胸骨の圧迫(心臓マッサージ)・人工呼吸など)を試みるかどうかについては、事前に患者さんならびにご家族、法定代理人に説明を行い、よく話し合い、患者さんが尊厳ある死を迎えることができるように努めます。DNRに患者さんが、同意された場合、医師は電子カルテにその旨を記載し、他の医療関係者に周知します。

検査・治療・入院等拒否に関すること

検査・治療・入院等の必要性と実施しない場合の不利益について患者さんに十分な説明を行っても、患者さんが治療行為を拒否した場合は、患者さんの意見を尊重します。その際にはカルテに説明内容と患者さんの決定内容を記載し、拒否に関する同意を頂きます。ただし、感染症法などに基づき、治療拒否が制限される場合があります。

自己判断不能患者さんへの対応に関すること

意識不明や判断能力を欠いた成人において、緊急事態で生命に問題がある場合でかつ家族等に連絡がつかない場合は家族や代理者に対する説明を行わないで、医療チームの合意を持って緊急治療をおこないます。時間的余裕があれば家族に説明を行いますので、治療に必要な判断と決定をお願いします。その際、患者さんの事前指示書や医療上の委任状などがあればそれに従います。
15歳未満の場合は、親権者に説明を行い、承諾を得ます。ただし7歳以上15歳未満の場合は、親権者と本人に説明し同意を得るように努めます。15歳以上の場合は、自分の身分上の変更を行い得る能力があると法律的(養子縁組民法797条、遺言民法961条)に考えられており医療上の自己決定権を持つと考えて対処致します。

身体抑制に関すること

やむを得ず身体を抑制し、行動を制限する必要がある患者さんには、当院の身体抑制基準・手順に従い慎重に対応します。

退院の拒否に関すること

一般的に医師が入院治療を必要としない旨の診断をして、診断に基づき患者さんに対し退院すべき旨の意思表示があったときは、特段の事由が認められない限り入院診療契約は終了すると考えられているので、医師は退院を拒否する患者さんおよび家族に対しても退院の方針を説明します。なお、患者さんの問題行動が病院の秩序を著しく乱したり、患者さんが医師・看護師の指示に従わず、医療業務が平穏に行われなかったり、著しく支障を及ぼすと考えられる場合や威力業務妨害や脅迫、暴行などの犯罪行為にかかると思われる場合は、診療を拒否しうる「正当な理由」になると考えられ病院長が強制退院勧告をします。

研究倫理に関すること

研究倫理に関しては、厚生労働省「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」(平成26年12月22日統合改定、平成27年4月1日施行)に準じます。