HOME > 診療科のご案内 > 外科 > 呼吸器外科

外科のご案内

呼吸器外科

診療の概要

呼吸器内科、放射線科、リハビリテーション科との連携を保ちながら、術前から術後までより包括的な診療を行うように心がけています。

当院での肺がん診療体制

※各診療科・診療部の協力のもと総合的な診療行っています

手術件数推移

平成23年度の診療体制の変更後(鷲尾赴任)、約800件の呼吸器外科手術を施行しております。手術全体の50~60%程度が肺原発悪性腫瘍手術であり、その95%以上を高度な技術が必要とされるComplete VATS(完全胸腔鏡下手術)で行っています。

平成30年度より常勤医師3名(鷲尾、平野、鳥越)の診療体制となり、診療体制もより充実して来ております。

肺がん手術の低侵襲化と当科での取り組み

Complete VATSは開胸手術やHybrid VATSとは異なり直視下の手術でないため、精密な手技が不可能で危険性が高いと言われることもありますが、拡大視効果、手技のbrush upおよび手術器具の進歩に伴い精度の高い・安全な手術が行われるようになっています。

Q1:Complete VATSとは?

肺癌は胸腔内臓器であり、胸腔内へのアプローチ法には主に以下があり侵襲の大きさもそれぞれ異なります。

  • 標準開胸:
    皮膚切開・呼吸筋の切離範囲も大きく、肋骨も1~2本切離する。
  • Hybrid VATS:
    標準開胸より皮膚切開は小さく、肋骨も切離しない事が多いが、呼吸筋の切離はかなり広い範囲で行われる。
  • Complete VATS:
    Hybrid VATSよりさらに皮膚切開が小さく、呼吸筋の切離範囲も極めて少ない。
Q2:どのような施設で行われているか?

技術的には標準開胸→ Hybrid VATS→ Complete VATSと困難になる傾向あり。施行される施設も増加していますが技術的レベルが差異が大きいのが現状です。当院では肺癌手術症例の90%以上をComplete VATSで施行しております。

肺は形態上、右肺と左肺に分かれ右肺は上葉・中葉・下葉の3つに、左肺は上葉・下葉の2つに分かれます。さらに機能的な面からは各肺葉はさらに細かく区域(さらに細かく分ければ亜区域)に分けられます。

肺がんに対する手術療法は1930年代には片肺全摘術(肺がんのある側の肺、右肺のがんの場合右肺切除)が行われるようになりました。
1950年代からは肺葉切除術(肺がんのある肺葉、右上葉肺がんならば右上葉切除)が行われるようになりました。

現在では、以前に比べより早期がんが発見される機会が増加したために区域・亜区域・部分切除などの縮小手術が行われることも増えています。

肺がん手術の中で最も低侵襲で高度な技術が必要とされるのが完全胸腔鏡下肺区域切除です。そのような縮小手術を行うには外科医の技術だけでなく、術前に十分な解剖学的情報が必要となります。そのためには放射線科医師・技師・CT装置・画像解析ソフトが十分なレベルであることが必要となります。

当院では最新のモダリティーを整備しつつ、大病院にない風通しの良さを生かしてディスカッションを重ねレベルの高い術前検査が日常業務の一部として行われる様になっています。

縮小手術当院ではステージIの肺がんの中で耐術能と肺がんの進行度から適応と考えられる患者さんにI.C.(インフォームド・コンセント)を行ったうえで行っています。当院では2013年頃よりComplete VATS 肺区域切除を導入しており、現在では肺がんに対する根治的手術の約30%程度を占める様になってきております。その手術成績も肺葉切除と比較して遜色の無いものとなっています。

当科の区域切除時の新たな取り組みについて

①術中ICG静注法

精度の高い区域切除を行うためには区域間を認識するための工夫が重要であり、当院ではそのためにICG静注法を採用しております。
術中に切除する肺区域の血管・気管支を切離した後にICGという色素を静脈注射すると、切除する区域は血流が遮断されているためICGが流れず、残る肺だけにICGが広がります。専用の胸腔鏡を使用することによりICGが発する蛍光確認でき正確な区域間のラインが確認可能となります。
前述した3-D CTと併せて行うことにより、より精度の高い手術をおこなうことが可能となっております。

②Virtual assisted lung mapping(VAL-MAP)

区域切除が適応となる小型の肺病変は、術中認識できないことがしばしばあり、術前に何らかの形で腫瘍の位置をマーキングをしておくことが手術の確実性を高めることになると考えております。当院では、術前に気管支内に数カ所色素を注入し、腫瘍の位置を同定するVAL-MAP法を採用しております。
VAL-MAPの際には手術前日に麻酔をかけた状態で気管支鏡を行うので、患者様の苦痛も少なく合併症も殆どありません。

気胸手術に対する当院の取り組み

気胸手術は肺癌手術より比較的難易度が低いため、全国的にComplete VATS(完全鏡視下手術)が普及しております。多くの施設では下図のように3つのポートを胸に留置して手術を行っています。1つのポートを留置するために1~2cmの傷をつける必要がありますが、気胸患者様は特に若い方が多いため、多くの傷をつけることは美容面で無視できない問題です。
そのため当院では1つのポートで手術を行う単孔式胸腔鏡手術(Single Incision Thoracic Surgery;SITS)を行っております。

この方法ですと、下図のように胸腔ドレナージの際にできた傷を少し広げるだけで手術が可能です。1つのポートから胸腔鏡と複数の鉗子を挿入し、手術を行います。3孔式の手術と比較し手術の難易度はあがりますが、当院では胸腔鏡手術の豊富な経験があり、この方法が採用できています。単孔式で行うことで、手術の後には2㎝程度の傷が1か所残るだけであまり目立たず、患者様にとってより満足度の高い手術と考えております。

医師紹介

主任外科部長:鷲尾 一浩(わしお かずひろ)

【学歴】 平成4年高知医科大学(現:高知大学)卒業
【職歴】 岡山大学腫瘍胸部外科・国立岡山医療センター
国立宇部医療センター・岡山労災病院等
H.Lee Moffit Cancer Center留学
【資格】 外科指導医・専門医・呼吸器外科専門医
がん治療認定医・CT肺癌検診認定医
岡山大学医学部医学科臨床教授
【受賞歴】 2007年日本内視鏡外科会
カール・ストルツ賞(会長賞)受賞
【専門領域】 呼吸器外科、一般胸部外科
【扱う疾患】 肺癌・気胸・縦隔腫瘍・多汗症等
呼吸器外科医長:平野 豊(ひらの ゆたか)

【学歴】 平成18年岡山大学卒業
【職歴】 姫路聖マリア病院・四国がんセンター
岡山大学病院呼吸器外科(肺移植グループ)
【資格】 外科専門医
【専門領域】 呼吸器外科、一般胸部外科
【扱う疾患】 肺癌・気胸・縦隔腫瘍等
呼吸器外科医長:鳥越 英次郎(とりごえ ひでじろう)

【学歴】 平成21年岡山大学卒業
【資格】 外科専門医
【職歴】 岡山労災病院・四国がんセンター
岡山大学病院呼吸器外科(MOTG:癌研究グループ)
【専門領域】 呼吸器外科、一般胸部外科
【扱う疾患】 肺癌・気胸・縦隔腫瘍・多汗症等

お知らせ

現在はありません。

PDFファイルを閲覧・印刷するには、無償のAdobe Readerが必要です。
お持ちでない方は、Adobe社のホームページよりダウンロードしてください。