Diary 研修医日誌

2016年03月22日(火)

「癌と化学療法」誌 論文投稿


元・内科後期研修医の妹尾です。現在は大学病院に勤務しておりますが、中国中央病院での研修中に作成した論文が、このたび「癌と化学療法」誌に掲載される事になったので、この研修日誌で報告させて頂きます。

はじめ、論文と言うと有名な先生方が書くもので、研修医の自分が書くとは思っていませんでした。しかし中国中央病院で1年先輩の先生が後期研修中に論文を完成させられたのを見て自分でもやってみたいと思うようになり、消化器領域の貴重な症例を経験したのをきっかけに、指導医の先生が快くご指導を引き受けて下さった事で、高かったはずのハードルもいつの間にか飛び越えて論文作成が始まりました。

ずは実際に経験した患者さんについて学会の地方会で症例報告を行いました。その際に作成したパワーポイントのデータをもとに論文の形にしてみたのですが、最初はうまくいきません。論文の書き方にはそれなりのルールがあり、それに則って文章を書いたり、根拠となる文献を準備したりと、なかなかに大変な作業ではありました。指導医の先生に書いた文章を修正され、それを元に直した文章を見ていただいての繰り返しでした。修正していく過程で少しずつ論文が組み立てられていくのが自分でもわかり、面白くもありました。完成してみると感慨深いものです。

このように論文を書くことができたのは自分にとって非常に良い勉強になりました。それだけでなく、論文を著すという事は、自分が経験・調査した情報を多数の人に伝え、さらに形として残ることで将来へ向けて知識を蓄積していく役割も果たす事になります。また今後、自分が後輩を指導するようになっても今回の経験は必ず役に立つと思います。

最後になりましたが、論文を書くにあたって熱心にご指導頂いた消化器内科の指導医の先生をはじめ、お世話になった多くの先生方に改めて御礼申し上げます。中国中央病院での経験を今後に活かしていきたいです。

元内科後期研修医 妹尾賢