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ノロウイルス食中毒

中国中央病院からの健康アドバイス 第58回

ノロウイルスによる食中毒の発生は、これから冬に向けて多くなります。一般的な食中毒とは違いますので、ノロウイルスを正しく知って、感染を予防しましょう。

Q.ノロウイルスってどんなものですか?

ノロウイルスは、人だけに感染して下痢やおう吐などの症状を引き起こし、人の小腸で増えるウイルスです。人以外の細胞の中では増殖しません。大きさは直径0.03μm前後のほぼ球体で、電子顕微鏡でなければ観察できません。

Q.ノロウイルスに感染するとどうなるの?

感染すると、1~2日の潜伏期間の後、主に、下痢、吐き気、腹痛の症状があらわれます。軽度の発熱を伴う場合もあります。通常、これらの症状が1~2日続いた後、治ります。症状は短期間で治りますが、その後1週間くらいは、便にウイルスが排便されるようですから、調理前には手洗いはしっかりして下さい。ノロウイルスは感染力が強いため、保育所、学校や高齢者施設等で患者が発生すると、二次感染を引き起こし集団感染となることがありますので、十分な注意が必要です。

Q.予防にはどうしたらよいですか?

①ハンドソープを使って十分に手洗いしましょう。特に、トイレの後、調理の前、食事の前、嘔吐の処理物やオムツ交換の後などにはていねいに手洗いすることを心がけましょう。

②食品の加熱調理を心がけましょう。食材を加熱する際には、中心部までしっかり加熱してから食べましょう。加熱する温度の目安は、85℃以上、1分以上です。加熱しないもの(野菜・果物)は、水を流しながらしっかり洗いましょう。

③調理器具の使用後は十分に洗浄・消毒をしましょう。ノロウイルスに対して、アルコール消毒液はあまり効果がありません。消毒する場合は、熱湯(85℃以上)をかける方法か、0.02%(200ppm)次亜塩素酸ナトリウムに浸す方法が有効です。(家庭用塩素系漂白剤にも含まれています)

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予防のポイントは…手洗い、加熱調理、塩素消毒で感染を予防しましょう!

 

主任栄養士 細川弘美