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胆嚢結石症について

中国中央病院からの健康アドバイス 第52回 

Q.胆嚢結石症とは何ですか?

A.胆嚢や胆管といった胆汁の流れる部位に結石ができる疾患のことを胆石症といいますが、このうち胆嚢内に結石があるものを胆嚢結石症といいます。結石は成分によってコレステロール石、色素石などに分けられます。コレステロール結石は胆汁中のコレステロールが結晶化したもので、脂質の過剰摂取・肝臓からの過量のコレステロール分泌などが原因と考えられています。色素石は胆汁に含まれるビリルビンに細菌などが作用してできると考えられています。また、妊娠・肥満・糖尿病・胃切除後・過度の食事制限中・完全静脈栄養中などには胆嚢の収縮障害が起こり、結石ができやすくなります。このため、手術以外の方法(結石溶解療法、体外衝撃波胆石破砕療法など)では再発する可能性が高くなります。

Q.健診で胆嚢結石が見つかりましたが、手術はしたほうがいいでしょうか?

A.胆嚢結石には症状のあるものとないものがあります。無症状胆嚢結石は健診や他疾患の精査中に偶然発見され、胆嚢結石の半数以上が無症状とされています。経過観察した場合の有症状化率は10~20%です。胆嚢がんと診断された方に胆嚢結石が合併する頻度は高く40~75%とされていますが、胆嚢結石症の方に胆嚢がんが合併しやすいかどうかについてはあまりはっきりしていません。したがって、無症状で胆嚢がんが否定されていれば定期検査のみで予防的な胆嚢摘出術は不要です。しかし、結石のために胆嚢壁が評価できない場合には手術を考慮することもあります。上腹部痛・背部痛・吐き気などの症状がある胆嚢結石を放置することで急性胆嚢炎・急性胆管炎・急性膵炎など重篤な合併症を起こすこともあるため、症状が出現した時点で早めの手術をお勧めします。

Q.胆嚢がなくなっても大丈夫ですか?

A.胆汁は食事性脂質の消化・吸収に必要とされています。胆嚢は胆汁を貯留・濃縮して排出する臓器ですので、胆嚢を摘出したからといって胆汁が出なくなることはありませんが、十分に濃縮された胆汁が排出されないことにより、脂肪の消化吸収が阻害され軟便・下痢などの症状が出現することがあります。ただ、胆嚢結石症で手術をされる方は胆嚢が十分に機能していない状態の方も多いためか、摘出により症状が現れる方は多くはないようです。症状があっても、多くの場合は時間の経過とともに改善してきます。

Q.手術はどのような手術になりますか?

A.通常は腹腔鏡下胆嚢摘出術が第一選択になります。腹腔内に5mmまたは12mmのポート(カメラや手術器具を入れるための管)を合計4本留置して、炭酸ガスで気腹して胆嚢を摘出します。胆嚢の炎症や周囲との癒着が強い場合や手術既往がある場合などには開腹手術に移行することもあります。また、最近では炎症や癒着が軽度の症例に対して単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術が行われるようになりました。臍部の約2cmの1カ所の創から手術を行うもので、臍部に創が隠れてほとんど目立たなくなるなど整容面で優れています(図1)。腹腔鏡下胆嚢摘出術の入院期間は5~7日間です。

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胆嚢結石症の原因・手術について一般的なお話をしましたが、年齢・既往症・併存疾患の有無などで対応が異なる場合があります。実際の手術適応の有無については、外科を受診して相談してみてください。

外科医長 勝部亮一