HOME > 更新情報 > 広報誌 > 岡山支部 > 脂質代謝異常(高脂血症)ってどんな病気?

脂質代謝異常(高脂血症)ってどんな病気?

血液の中には、コレステロールやトリグリセライド(中性脂肪)、リン脂質、遊離脂肪酸といった脂質と呼ばれる物質が含まれています。脂質は細胞膜やホルモンの材料となったり、エネルギーの貯蔵庫になるなど、私たちの体の機能を保つために大切な働きをしています。通常、脂質は肝臓で作られたり、食事から取り込まれたりして、血液中に一定の量が保たれるように調節されています。脂質代謝異常(高脂血症)は体内で脂質の流れがうまく調節できなくなったり、食事として体内に入ってくる量が多くなりすぎたりして、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)やトリグリセライド(中性脂肪)が多くなりすぎている状態、またはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が少ない状態が続く病気です。

脂質代謝異常(高脂血症)の症状は?

脂質代謝異常(高脂血症)は、それだけでは全く自覚症状がありません。長い時間をかけて体内の血管の広がり、ボディーブローのようにじわじわとダメージを与えます。そのダメージは蓄積され、動脈が硬くなったり、血管壁にコレステロールが沈着します。このようなイベントが起こると、血管の内腔が狭窄し血液の流れが悪くなります。それが心臓を栄養している血管(冠状動脈)におこれば心筋梗塞や狭心症を、また脳内の血管に起これば脳梗塞という命にかかわる深刻な病気の原因となります。
つまり、自覚症状が無い状態で進行するため、定期的な受診と検査が重要となるのです。

脂質代謝異常(高脂血症)の治療は?

まず、最初に行うべき治療は、食事療法と運動療法です。

①食事療法:コレステロールの少ない食品を摂取することはもちろん大事ですが、重要なことは摂取するカロリーを抑えることです。毎日無理なく続けられる、ご自分の目標カロリーを設定しましょう。また、下記のものに注意するとよいでしょう。

・肉の脂身、卵黄の摂取を控える。

・魚、特に青魚の摂取を増やす。

・食物繊維の摂取を増やす。

・食塩の摂取は1日6g未満を目標とする

・アルコールの摂取を控える

②運動療法:ご自身の生活や健康状態にあわせた運動強度や量を医師と相談して決定し、指導してもらいましょう。短時間のハードな運動よりは、ウォーキングなどの有酸素運動が効果的です。1日あたり男性9000歩、女性8000歩のウォーキングが良いとされています。また、1日30分以上(出来れば毎日)、週180分以上が良いとされています。その他にも、なるべく駐車場の遠くに駐車するや、エレベーター、エスカレーターを使用しないなど、生活の中に運動を取り入れることも効果的です。何よりも続けられることが一番重要だと思います。

③薬物療法:食事療法や運動療法などの生活習慣の改善を3~6カ月行ったにもかかわらず、脂質管理目標を達成できない場合は、薬物療法を考慮します。脂質代謝異常(高脂血症)の治療薬にはいくつかの種類があります。これらの薬の服用に関しては、医師の指導に従い継続することが大切です。自分で勝手にやめてしまったり、薬の量を調節したりというのはよくありません。薬に限らず、気になることはすぐに相談する。それがとても大事なことと思いますよ。

 

内科医長 中野 学