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放射線治療

放射線治療について

放射線治療は、「切らずに治すがん治療」と言われ、手術・化学療法(抗がん剤治療)と並ぶがん治療の3本柱の1つです。当院はがん診療連携拠点病院として放射線治療の機器・スタッフの充実に力を入れています。また、体幹部定位放射線治療(SBRT)の認定施設としても実績を重ねており、新たに平成24年度からは骨髄移植などの造血幹細胞移植の患者さんに対する全身照射(TBI)を開始いたしました。高い治療精度を維持するために、患者さんに安心して治療を受けていただくために、日々努力をしております。放射線治療は、体に放射線を当てるということで怖いイメージがありますが、照射中は痛みや熱さなどの自覚症状はありません。

また、照射範囲以外で放射線の影響が出ることはありません。治療時間は症例によって異なりますが、通常で10~20分で終わります。他のがん治療と比べて、治療期間中の副作用が軽い場合が多いため、外来での通院が可能であり、仕事をしながら治療を受けられる方もたくさんおられます。

しかし、入院治療とは異なり、外来治療では常に医療スタッフが身近にいないことから治療に対する不安も大きいと思います。そこで、当院では不安や緊張を少しでも解消すべく、看護師を中心に医師・放射線技師などのスタッフによる患者ケアの充実に努めております。

治療期間中に限らず、質問や疑問などございましたらお気軽にお声かけください。

治療実績

部位 平成25年 平成26年 平成27年
脳・脊髄腫瘍 0 2 0
頭頚部腫瘍 10 9 19
食道がん 6 4 4
肺・気管・縦隔腫瘍 48(2) 57(4) 49(6)
乳腺腫瘍 21 15 14
肝・胆・膵腫瘍 3 11 10
胃・小腸・結腸・直腸腫瘍 25 20 13
婦人科腫瘍 0 1 1
泌尿器系腫瘍 12 8 9
造血・リンパ系腫瘍 14 35(6) 43(3)
皮膚・骨・軟部腫瘍 3 2 3
良性疾患 0 0 0
再診 58 62 74
総数 200 226 239

体幹部定位放射線治療について
(stereotactic body radiotherapy : SBRT)

定位放射線治療とは、病巣に対して高い精度で放射線を集中して当てる治療法です。当院では平成20年9月に広島県福山市で初の体幹部定位放射線治療の施設認定を受けることができました。

体幹部定位放射線治療について

特徴

がん病変をピンポイントで狙い撃ちできるため、通常の放射線治療よりも多めの線量を4~5日に分けて短期間で投与します。そうすることで、肺癌の治療成績に関しては、がんの大きさが3cm以下で転移がない場合では、局所制御率(放射線を当てた所からがんが再発しないまたは再燃しない割合)が約90%であり、診断から5年経過後に生存している比率である5年生存率は80~90%くらいといわれています。

つまり、早期の肺癌では比較的少ない身体的負担で、手術と同等の治療効果を得られる治療法といえます。治療中は痛みなどの苦痛は伴わず、全身的な負担も少ないため、ご高齢の方や合併症のある方で手術ができない場合でも治療が可能です。

しかし、心臓や大血管、食道、脊髄などの近くにがんがある場合は、大量の放射線照射で重篤な副作用を起こす可能性があるため治療できないことがあります。

特徴

全身照射について

放射線治療は主に局所治療(腫瘍のある部分のみを狙って放射線を当てる治療)です。最近では正常組織に放射線が当たらないように、さらに今まで以上にピンポイントで照射することができるようになり、照射精度に関する技術は日々進歩しています。しかし、白血病などの血液の病気は局所照射のみでは治療できない場合があり、これに対しては広く全身に放射線を当てる治療法(全身照射:以下TBI)が有効とされています。当院では平成24年10月に福山市で初のTBIが無事に行われました。

目的

TBIの目的は白血病などの造血幹細胞移植の前処置として抗がん剤との併用、もしくは単独で白血病細胞を根絶することです。また、移植後には移植細胞が自分の細胞を攻撃しようとする免疫機能によって移植片対宿主病(GVHD)が起きる可能性があります。この免疫抑制も重要な目的の一つです。

治療内容

TBIは骨髄破壊的前処置(フル移植)の場合、朝1回、夕方1回の1日2回の照射を3日間連続で行います。1回で2Gy(グレイ:吸収線量の単位)の線量を与えますので、3日間で計12Gyとなります。最近ではミニ移植といって、抗がん剤投与や全身照射などの前処置を軽くした移植が注目されています。これは、通常の前処置(フル移植)のような移植後の即時的なドナー細胞の完全生着を狙わずに、段階的にドナー細胞に置き換わることを狙う治療です。フル移植の前処置に比べて毒性が低いため、ご高齢の方や臓器合併症のある方でも施行可能です。

フル移植が3日間であるのに対し、ミニ移植は1日で終わります。1回2Gyの線量を朝1回、夕方1回の計4Gyを照射します。実は放射線はがん細胞だけでなく、正常な細胞にもダメージを与えます。

全身へ一度に放射線を照射する場合、生命に危険が及ぶ線量は4Gyとされています。この治療では1日に4Gy当たっていますが、朝と夕方で6時間以上の間隔をあけて照射することで正常組織が回復します。正常組織の回復後に次の照射をするため、一度に4Gyの線量は当たっていません。

また、移植された造血幹細胞によって新たな造血機能や免疫機能がつくられますので、放射線の影響は回復していきます。当院では副作用を防止する目的として、通常の治療に比べてゆっくり照射するため、準備も含めて1回1時間ほどかけて治療を行っています。

治療内容

治療スタッフ

日本放射線腫瘍学会認定医 放射線科医 1名
放射線治療専門技師 4名
医学物理士 1名
放射線治療専任看護師 2名

放射線治療に特化した資格を有する技師で構成されています。これは近隣の病院の中でも高いレベルです。我々は放射線治療以外にも、正しく放射線が出ているかなどの線量チェックや定期的な機器の管理を行っています。作業は日常の治療に支障がない時間帯から開始し、夜遅くまでかかることもしばしばありますが、その地道な取り組みが少しでも多くの患者さんのお役に立てるものと信じて、スタッフ一同頑張っています。